認知症とは
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたために記憶・判断力の障害が起こり、社会生活をする上で支障が出ている状態のことで、老化による物忘れとは区別されるものです。(厚生労働省HPより)
認知症にはいくつか種類がありますが、その中で最も多いのがアルツハイマー型で全体の約7割を占めます。
「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」筑波大学附属病院精神神経科より
アルツハイマー型認知症とは
脳の中にできるアミロイドβという老人斑(老廃物)は、健康であれば自然に代謝されていきますが、アルツハイマー型認知症では、これが脳内に蓄積していきます。それによって正常な神経細胞が死滅していき、脳の働きが低下したり萎縮が進行する病気です。短期記憶などを司る脳の海馬を中心に大脳全体に萎縮がおきます。
どを司る脳の海馬を中心に大脳全体に萎縮がおきます。
アルツハイマー型認知症とは
脳の中にできるアミロイドβという老人斑(老廃物)は、健康であれば自然に代謝されていきますが、アルツハイマー型認知症では、これが脳内に蓄積していきます。それによって正常な神経細胞が死滅していき、脳の働きが低下したり萎縮が進行する病気です。短期記憶などを司る脳の海馬を中心に大脳全体に萎縮がおきます。
歯周病とは
細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、重度になると歯を支えている骨が溶け歯が抜け落ちる病気です。痛みなどの自覚症状があまりない為「サイレント・キラー(静かな殺し屋)という別名もあります。歯周病の代表的な原因菌はジンジバリス菌であることが分かっています。
ーではなぜ口腔の病気である歯周病と脳の病気である認知症が関係しているのでしょう?ー
(1)九州大学が行ったマウスを使った研究では、歯周病の原因菌であるジンジバリス菌を全身に慢性投与することにより正常なマウスの脳外で産生される老人斑アミロイドβが脳内に取り込まれることを発見しました。ジンジバリス菌を3週間連続で投与するとマウスの血液脳関門の血管内皮細胞の周りでアミロイドβが増加し記憶障害が誘発されることを突き止めました。(Journal of Neurochemistry 2020年6月6日)
また欧米での臨床研究では、歯周病の罹患と認知機能低下は相関関係にあり、アルツハイマー型認知症の脳内でジンジバリス菌の検出が報告されたことから、アルツハイマー型認知症と歯周病の関連性が今、注目を集めています。(九州大学プレスリリース2019.11.14)
(2)医学雑誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」によると、アルツハイマー型認知症の患者10人の脳を調べたところ、うち4人の脳から歯周病の原因菌であるジンジバリス菌が見つかりました。同じ年齢で認知症でない10人の脳からは一切検出されませんでした。
米ルイビン大学のヤン・ポテンパ博士らの研究チームは、2019年1月23日「慢性歯周炎の原因菌であるジンジバリス菌がアルツハイマー型認知症患者の脳内で確認された」との研究論文を発表しました。研究チームはマウスの口内にジンジバリス菌を感染させたところ、6週間後に脳内でジンジバリス菌が確認され脳内のアミロイドβも著しく増加したとしています。
今、世界中で歯周病とアルツハイマーの関係を明らかにする研究が進められています。
今日から私達にできる事
口の中には、500~700種類の菌(良い菌悪い菌)が何千億個も存在しています。
食後、お口の中をそのままにしておくと口腔内の細菌は、食べ物のカスをエサに酸が発生し、ネバネバの歯垢を作ります。これは細菌の塊です。その細菌の塊が虫歯や歯周病の最初の原因になるのです。
今日から直ぐできる事、毎日のブラッシングでネバネバの歯垢ができないよう口腔内を清潔にしましょう。同時にお口の中の菌バランスも整える必要があります。口内環境を整えると虫歯菌、歯周病菌は増えにくくなると言われています。
ヒトの免疫細胞の70%が腸に集まっており、口と腸は1本の管で繋がっています。
口内環境を整える事は、腸内環境を整える事につながり病気になりにくい体作りに欠かせません。
歯周病の予防や治療することでアルツハイマー病の発症と進行を遅らせることが大いに期待されています。